きりぎりす

太宰 治

きりぎりす

分類番号:NDC 913(小説・物語)

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オリジナル版

原本そのままの文章です。
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太宰治が描く夜の静寂と孤独を、言葉は静かに結ぶ
心の奥底へ染み入る緊張感が、読者を静かに揺らす

生と死のあいだを鋭く削る筆致。孤独と絶望が絡み合う世界を、淡い光と沈黙で照らす名作。きりぎりすは現代へ刻まれた影絵だ。心の闇を掬い上げ、読者を自問へと誘う短編群の荘厳な呼吸。鬱屈と焦燥の狭間を鮮やかに切り取る。

レビュー

きりぎりすの舞台設定は戦後の喪と孤独を、静かな語り口で丁寧に描く短編だが、背後の焦燥と虚無が胸を締めつける。断片的な言葉が現実と自己の境界を揺らし、読者の想像力を試す。余韻は冷ややかで美しく、心の奥に長く染みつく。結末は誰のせいにもできず、私たちの生き方を見直させる力がある。 (25歳 風子)

太宰治らしい自嘲と皮肉が、切なくも滑稽な笑いへと転ぶ瞬間が多く楽しい。孤独を嘲笑うかのような登場人物の言葉遣いが、現実の苦味を軽やかに覆い隠し、読み手をついニヤリとさせる。短さの中に風刺が凝縮され、読了後に友人と話したくなる鋭さが心に残る。 (32歳 トト)

初めて文学を手に取る人にも優しく伝わる作品。難解な比喩よりも、孤独と生の不安に向き合う素直さが伝わってくる。短い物語ながら登場人物の気持ちが手に取るように分かり、読み終えた後も日常の一コマに置き換えて考えられる。難しく感じず、自然と次の一冊へ手が伸びる。 (29歳 みつき)

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