現代の夜を裂く鋭い筆。自己と社会の境界を揺さぶる坂口安吾の声
昭和の闇を鋭く抉り出す坂口安吾の短篇集。自由と孤独、破滅と再生の境界を照らし現代へ問いを投げかける魅力を凝縮した一冊。心に残るのは凄絶な孤独と現実を超える夢の破片だ。誰もが自らの影と対峯する読書体験を約束する。
レビュー
アンゴウは戦後の闇を映す鏡のように、欲望と孤独を露骨に描く挑発的な作品だ。安吾の冷徹な観察と詩的なリズムが何度もぶつかり合い、読者は自分の影と向き合う緊張を体感する。倫理の薄さを鋭く照らす余韻が長く尾を引き、現代の私たちにも不意の問いを投げかける。 (34歳 ヒビ)
ユーモアと皮肉が混じる異色の一冊。安吾は人の浅はかさを露骨に笑い飛ばすのではなく、鋭い視線で現実の滑稽さを浮かび上がらせる。読み進むうちに眉間のこりがほぐれ、真摯さと風刺の絶妙なバランスが心に小さな風景を描き出す。 (26歳 みかん)
読書初心者にも手が出しやすい入口がある一冊だと思う。章ごとにテーマが分かれ、語彙の難易度も段階的。最初は登場人物の心象を追うだけでも十分に面白く、慣れるうちに安吾独特の世界観の核へと自然に近づけるはず。 (22歳 かえる)