後記〔『道鏡』〕

坂口 安吾

こうき(『どうきょう』)

分類番号:NDC 914(評論・随筆)

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オリジナル版

原本そのままの文章です。
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坂口安吾の筆致が歴史の陰影を深く刻む一冊
読者を静かな問いへと誘う洗練された余韻

坂口安吾の後記として道鏡の謎と権力の奔流を鋭く照らし出す。歴史と思想が絡む難題を、孤高の筆致で読み解く文化史の金字塔。安吾独自の冷徹な視線と戯曲的抒情が道鏡伝説を現代に問い直す現代に生きる読者へ歴史と倫理の対話を促す一冊。

レビュー

後記は道鏡伝の陰鬱な謎に、安吾らしい刺々しい筆づかいで新たな光を投げる。史料の痕跡を縦横に操り、作者の私小説的偏見をさらけ出す勇気が痛快だ。古代と現代の視界が絡まり、読者は真偽と道徳の境界を自問する。読み終えると、歴史とは“語り方”でしかないと再認識させられる。安吾の批評は、知識人の鼻持ちならない自意識を露骨に揺さぶり、読むほどに自分の価値観を問う。 (28歳 風来坊)

道鏡を賛美する口上を、安吾は毒舌と皮肉で裏返す。崩れた伝説を筆者の私見でひねり出すのが滑稽で、同時に鋭い社会批評に変わる。堅苦しい史料のはずが、彼の視線で軽妙な討論の場に。読みながら吹き出し、でも最後は深く考えさせられる一冊だ。安吾の比喩は鋭くもユーモラスで、読み進めるほど道徳的な自問が芽生える。 (45歳 学究猫)

読書初心者にもおすすめの一冊。安吾は難解に見える史料を、身近な比喩と鋭い観察で解きほぐす。道鏡伝の背景を丁寧にたどるうち、史実と伝説の境界が見えてくる。初めての歴史読書でも、章ごとの要点が手に取りやすく、難しい専門用語のはしごも彼の語り口がほどよく緩和してくれる。これから歴史を学ぶ人にこそ、基礎を固める入口になる一冊です。 (22歳 初心者の友)

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