いずこへ。答えは風の中にある。
戦後の混沌を鋭く照射する坂口安吾の短編集、いずこへは、現実と虚構の境界を揺さぶる旅路だ。孤独と不安、理想と現実の間を縫う言葉が読者の心に問いを灯し、新たな視線を開く一冊となる。旅路は今ここから始まる。
レビュー
いずこへは、現実と虚構の境界をさまよう声が続く短編群。退廃とユーモアが混ざる筆致が、心の居場所を問い、戦後の漂流感を鋭く炙り出す。読み進めるたびに新しい視点が花開き、余韻が長く胸に残る。安吾独特の孤独と反骨が、読者を静かに自分の居場所へ導く一冊。 (28歳 あっきー)
いずこへは、暗い空気の中にちいさな笑いが混じるユーモラスな一冊。登場人物が自分の影にツッコミを入れ、道に迷うたび自虐的な一言を吐く場面に思わず吹き出す。難解そうに見えるが、段落ごとに呼吸があり、読後にはくすりと笑える余韻が残る。 (33歳 ぽんた)
初めての坂口安吾にも向く、敷居の低い入口作。短編群は日常の小さな迷いを丁寧に描き、難解さを感じさせず読者の心に寄り添う。読みやすさと鋭さが同居する一冊で、読書初心者にも自信をもっておすすめできる。 (19歳 みかん)