谷崎潤一郎の筆致が耽美と禁忌を静かに染める
客ぎらいという題名が示す謎と余韻を帯びた一冊
客ぎらいは、客と主人の距離に潜む欲望と緊張を鋭く描く短篇集。陰影と静謐な筆致が古都の夜を染め、日常の薄い仮面を剥ぎ取り、読者を深い孤独と愉悦のあわいへ誘う。谷崎潤一郎の名匠肌理が息づく一冊。
レビュー
読書欲が掻き立てられる緊張感が終始続く一篇。客を迎える家の空気、家族と他者の距離感、そして心の奥に潜む不穏さを、谷崎は鋭い観察力と静かな筆致で丁寧に描き出す。視線は決して露骨ではなく、微かな違和感を積み重ねることで読者に解釈を委ねる。 (34歳 風見鶏)
読み始めてから終わるまで、口に出せない微妙な言い回しの連続に笑いがこぼれました。谷崎は客の振る舞いを過剰な演出なしに観察し、家族の距離感を風刺的に描く。登場人物の小さなワガママが現代のリビングにもありそうで、笑いと同時に人間観察の鋭さを味わえる、ちょっぴりクセになる一冊です。濃密な会話と沈黙の間合いが、読書習慣の浅い人にも受け入れやすい雰囲気で伝わってきます。 (28歳 笑瓶)
読書初心者の私にも優しく響く短編でした。難解な言い回しより、日常のささいな出来事の中に潜む感情の動きを淡々と示してくれます。登場人物の気持ちを丁寧に追いかけると、誰かの家にいるような親近感が湧いてきました。谷崎の作品を初めて触れる人にもおすすめしたい一冊です。読みやすい文体なので、普段読まない人でもページをめくる手が止まりません。 (16歳 ビギナー)